「自立」という言葉について
自立援助ホーム、という名前がついています。この「自立」を、ひとりで何でもできるようになること、と受け取る方が多いように思います。ここを出るときには、誰にも頼らずに生きていける人間になっていなければいけない、と。
そうではありません。むしろ逆です。
ここを出てから困るのは、たいてい次のような場面です。給料明細の見方が分からない。健康保険証をなくした。市役所から来た封筒の意味が分からない。熱が出たが、どの病院に行けばいいのか分からない。部屋の更新の連絡が来たが、何をすればいいのか分からない。
どれも、知らなければ分からないことです。そして、ひとりで抱えていると、そのまま止まってしまう。家賃が払えなくなって、住むところを失う。そういう順番で崩れていきます。
だから私たちが伝えたいのは、困ったときに「これ、どうしたらいい?」と誰かに聞ける、ということのほうです。それができれば、たいていのことは何とかなります。できなければ、どれだけ稼いでいても行き詰まります。
在籍しているあいだに、職員に何度でも聞いてください。聞くことに慣れてほしいからです。そして退所したあとも、連絡先は変わりません。何年経っていても構いません。

